このような方にオススメ
- 自社の運用に合う製品、ライセンス形態を知りたい
- IJCADのグレードをどのように選べばいいか聞いてみたい
- 上長に提案する際のポイントを相談したい
- 他社でどのような運用をされているか聞いてみたい
IJCAD
の強み
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機能 | AutoCAD LT | AutoCAD | |
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永久ライセンス | |||
低性能なPCでの軽快動作 | |||
開発言語の利用 (LISP / ARX / .NET / VBA) |
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JW-CADファイルの読み書き | |||
CALS(P21,SFC)ファイルの読み書き | |||
図面比較・図形比較 |
IJCAD
の強み
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IJCAD
の強み
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IJCAD
の強み
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三洋機工株式会社は愛知県北名古屋市に本社を置く、自動車や航空機、家電製品などの自動組立システム、あるいは、精密自動測定、自動溶接等の生産管理システムなどのライン・ビルダーである。
本社・本社工場にある設計部門で、2008年より、インテリジャパンのDWG互換CADソフト「IJCAD」を本格導入している。2017年現在、スタンドアロン版100、ネットワークライセンス版70、合計170のIJCADライセンスを導入。
三洋機工とIJCADの出会いは古く、2006年に遡る。情報技術部の小坂井健二部長は、IJCADの原点であるIntelliCADの情報を同社米国法人SANYO MACHINE AMERICA CORPORATION(ミシガン州)から入手した。
「米国の社長が、AutoCADライクの『IntelliCAD』というのがあるよ、と情報を伝えてくれました。われわれはちょうどAutoCADに替わるDWG互換CADの検討に入っていたところで、いろいろなフォーラムなどで情報を得ていました。社長の勧めもあり『IntelliCAD』を調べてみると、販売元が名古屋。灯台下暗しでした(笑)」。(小坂井部長)
小坂井部長にとって、IntelliCADはOpenDWGのフォーラムなどで名前はすでに知ってはいたが、実用面ではまったく未知数だった。そのような状況下の2006年にIJCAD 6.4を数本購入し、同時に情報技術部内での精査がスタートする。ところが、坂戸雅規技師長補は当時のIJCADには良いイメージが少ないという。
「最初は残念ながらビジネスユースに耐えられるものではありませんでした。AutoCADレギュラーが当社の主力2D CADでしたが、IJCAD 6.4の操作性はAutoCADとはかけ離れたものでした」(坂戸技師長補)
情報技術部はさまざまな社内の生産管理システムを精査して、最適のシステムやデータベースを構築する部署である。DWG互換CADにかかわらず、さまざまなシステムやソフトウェアを社内作業に最適化する業務を担っており、担当社員はみなプログラミング知識が豊富だ。
「差し迫った問題として、AutoCADもOSに対応させていくには何度もバージョンアップを繰り返さなければならない。しかし、1本数十万円もする製品を短い期間で何百本もその都度購入するというのは現実的ではない。実際、AutoCAD2000や2002レベルのパフォーマンスがあれば当社の業務にはまったく問題なく対応できるのに、WindowsXP、Windows7とOSが上がるたびにAutoCADも入れ替えなければならない。そのコストがビジネスコストに適うかどうかは常に考えていかなければなりません」(小坂井部長)
DWG互換CADを導入することでイニシャルやランニングコストが飛躍的に下がる。それは非常に重要な部分であるが、それにより機能や操作性が下がるのであれば、経営的にはマイナスでしかない。「使いものにならない」DWG互換CADを「使えるものにする」ためには、およそ2年の月日が必要だった。
「われわれにとって欠かすことのできない拡張機能のいくつかがIJCADではできなかった。それをすぐに営業の人にリクエストする。その優先順序をどうするか。完成はいつになるか。そういった要求をたくさんしました。でも、それら一つひとつに丁寧に対応してくれた。そういう部分は導入の大きな動機になりました」(小坂井部長)
この当時、情報技術部では並行して他のDWG互換CADも調べていたという。
「2社程度、DWG互換CADを検討していました。ただ、それらはカスタマイズの点で大きな障害がありました。IJCAD以外はカスタマイズの許可が下りなかったのです。また、海外ソフトなので言語は英語。スムーズな日本語が表示されるのはIJCADのみでした」(小坂井部長)
およそ2年のテストを経て、三洋機工はIJCADの本格導入に至る。
「IJCADの導入は2008年です。150ライセンスを購入しました。そこから、徹底的にIJCADを三洋機工オリジナルに加工していく作業が始まりました。まずは、メニュー画面から。クラシックメニューはAutoCADとよく似ていましたが、AutoCADもわれわれ専用にカスタマイズをしていましたから、同様にIJCADもメニュー画面の作り替えが必要となります。どんなソフトでもそうですが、使う頻度とボタンの位置の関係はとても大事です。リボンを外して、使用頻度の高いタブやコマンドを操作しやすい位置に置いたり、下層にある機能を上層に配置したり、原形をとどめないスタイルになります」(坂戸技師長補)
機能面において問題となったのは「外部参照」と「自動処理」機能だった。「外部参照」は機械設計、「自動処理」は電気設計にいずれも欠かすことのできない機能である。その処理スピードがAutoCADのレベルでなかった。それがもとでリリースできない状態が長期に渡ってしまったのだ。
「機械設計ではAutoCADにもどった時期もありました。まだ、Windows7が標準OSになる前でXPがたくさん動いていましたので、仕事に支障がでることはなかったのですが」(小坂井部長)
「あのときはどうしようと悩みました。AutoCADでできたことがIJCADに移ったことでできなくなったなどと、結構厳しい意見が返ってきました。われわれと、システムメトリックスの開発者総出で対応に追われたことは忘れられません」(坂戸技師長補)
三洋機工の設計部門で走るIJCADには大量のアドオンが組み込まれており、また、電気設計の自動処理などはコマンドの数がとても多くなる。簡単な修正で対応できることはまずない。当社の開発者も全力でその向上に努めた。設計部門でストレスフリーでIJCADをコントロールできるようになるのはいつ頃だったのだろう。
「最適環境になっているのかはまだわかりません。これからもさまざまな改善点は出てくると思います。しかし、5、6年前からAutoCADユーザーは一握りとなり、大半はIJCADで作図しています。今はAutoCADは適正表示を確認するのみにしか使われていません。それがIJCADの当社でのスキルを示しているのではないでしょうか」(坂戸技師長補)
取材には入社2年目の情報技術部、堂田貴裕氏にも出席いただいた。堂田氏は三洋機工に入社してはじめてIJCADを操作した。
「これまで大学でもたまにCADを使ったことはあったのですが、3Dが主でIJCADの存在も知りませんでした。つい先日、電気図面のパーツ設計の自動処理プログラムを作りました。Visual Basic .NETを使ったのですがちゃんと設計図面に反映され、IJCADの能力を実感しています。手動とは手間や入力ミスが段違いで少なく、これからももっと複雑なプログラミングをマスターしていきたいと考えています」(堂田氏)
IJCADがはじめて使うCADソフトという若い社員も増えた。小坂井部長、坂戸技師長補のお二人に2D設計やIJCADの三洋機工における将来像についてお聞きした。
「設計者のなかにはIJCADしか使ったことがないという人も増えてきました。それはいいことだと思います。AutoCADを知らなくても問題はない。なぜならIJCADを使っていればAutoCADも使えるということですから。そして、われわれがカスタマイズする重要な動機である操作性の統一。レイヤーや寸法スタイル、文字スタイル――、それぞれ各社各人、各様の定義がありますが、それを統一して使用することで、だれが描いても同じ品質の図面ができる。設計者個々のこだわり、勝手な思いが汎用性を疎外するのであればそれは同品質とはいえません。作られた図面は会社の資産です。徹底的にカスタマイズ化されたことで実現した操作性の統一によって、それを成し遂げられていると思います」(坂戸技師長補)
「まず当社では2次元CADはまだまだ必要だということです。われわれは設備メーカーです。お客さまの要求には可能なかぎりお応えします。自動車や航空機、あるいは家電などは3D設計が標準化されてきました。しかし、それを製造する設備は2D設計が主流です。生産現場あるいは外注業者さんなどでは2Dでないと作ることができない。溶接ラインやロボット設計は3Dですが、実際の製作図面は3Dデータを2Dに書き換えたものです。小さなネジやブラケットの設計を3Dでやる意味はありません。IJCADが果たす役割は将来ますます増えていくでしょう」(小坂井部長)
株式会社フジタ(旧大和小田急建設)は2014年11月にインテリジャパンのDWG互換CADソフト「IJCAD」を導入し、全社員約800人(当時)で使えるようにした。その背景には、互換CADについてDWG形式の互換性や操作性などの性能が数年前に比べて格段に向上し、低価格化とネットワークライセンスによる経済的なCAD活用が行えるようになったことがある。
「IJCADを全社で導入したおかげで、社内のCAD図面をDWG形式に統一できる見通しとなり、しかもコストは従来の3分の1以下になりました。これは画期的なことです」と語るのは、株式会社フジタ(旧大和小田急建設)経理部情報システムグループ長の川田正純氏だ。
同社でCADを使っているパソコンは、建築・土木の現場事務所に約450台、本社に約50台ある。今回の全社導入で、これらのパソコンすべてにIJCADをインストールすることができ、技術者一人ひとりが使えるようになったのだ。
「しかもイントラネットを介して使えるネットワークライセンスなので、ライセンス数はパソコンの台数に比べて少なくて済みます。今回は、同時使用率を考慮して200ライセンスだけを購入することにしました」(川田氏)。これまで同社では、土木工事の現場では“業界標準CAD”と呼ばれるAutoCADを使い、建築工事の現場ではフリーソフトのJw_cad for Windows(以下、Jw_cad)を使っていた。これらを全面的にIJCADに切り替えたのだ。
AutoCADは価格が高いため、同社では6年前のバージョンを使い続けてきた。しかし、バージョンアップとともにDWG形式にも少しずつ変更が行われるので、新しいDWG図面を開けないという問題も出てきた。
そこでバージョンアップすることを検討した。しかし、2015年2月以降はアップグレード製品の販売がなくなり、すべて新規購入扱いになる。今回、バージョンアップしても数年後にはまた、新規購入するかサブスクリプション契約を行うこととなり、その都度、多額の出費が予想された。
こうした背景もあり、同社は数種類のDWG互換CADソフトの導入を検討し、性能や移行のしやすさ、安定性などを徹底チェックした。「現在設計部門ではBIMを推進していますが、現状では全ての作図作業がBIMツールの中だけで効率よく完結できる状況にありません。そこで設計部門では2次元作図用途に、コストを抑えかつAutoCADに準拠した製品のなかから、IJCADを選択し3年前に先行導入を行いました」と設計推進部 IT/CAD担当プロジェクトリーダーの長岡拓哉氏は説明する。
「今回の全社導入にあたり、この3年間のIJCADの運用経験に加え、他社でもDWG互換CADを導入し始めており、5年前くらいに比べてここ2~3年でDWG ファイルの互換性も格段に上がっていることも感じていました。DWG ファイルとの互換性は、コンソーシアムによって 1年遅れで業界標準 CAD をフォローしています。最新版での検証結果、全社に展開しても問題ないと判断しました」(長岡氏)。
評価の基準となったのは、 (1)イニシャル+ランニングコスト、(2)AutoCADからスムーズに移行できる操作性、(3)Jw_cadとの互換性、(4)レスポンスのよさ、(5)フリーズしにくい安定性、という5つの項目だ。
「新しいCADソフトの導入に当たっては、操作についての教育訓練をできるだけ避けたいと思いました。その点、IJCADは画面の構成やショートカットキーなどの操作方法が業界標準CADとよく似ており、特別な教育が不要です。レスポンスもここ2~3年で格段によくなり、業界標準CADに追いつき、ユーザーもストレスを感じなくなりました」と長岡氏は語る。
「確かに3年前のDWG互換CADは、図面の中にExcelの表が貼り付けられない、PDFがうまく出力されない、交点スナップをしたときの交点が100分の1ミリ単位でずれる、といった不具合があったのも事実です。しかし、今ではほとんどそのような問題はなくなっています」(長岡氏)
このほか、IJCADではLISPやVBAで書いたマクロが業界標準CADと同様に動く。今後は.netも使えるようになる。これまで業界標準CAD用に開発してきたこれらのマクロ資産も、少し書き換えるだけで再利用できるのもIJCADのメリットだ。
同社の建築現場では、長年、Jw_cadを使っていた。最近は建築分野でも設計事務所との図面のやりとりにDWG形式が使われることが多くなっている。そのため、社内では特別なツールを用意して、DWGとJw_cadの図面のデータ変換を行うことが多くなっていた。
「現場から本社に依頼があり、一度に20個くらいのファイルを変換することもあり、多くの手間ひまがかかっていました」と設計推進部 設計担当の中村美香氏は語る。
ファイル変換の際、AutoCADとJw_cadでは線種の数が違ったりするので、変換後の図面確認や修正などにも大きな負担がかかる。
「IJCADを全社で導入したため、DWGでデータ共有が可能となりました。又、Jw_cadのデータとDWG形式を変換する必要があるときも、現場事務所でできるようになって作業負担が減りそうです」(中村氏)
IJCADならではの便利な機能も多い。例えば、PDF形式の図面を読み込んで編集できる機能だ。業界標準CADでもPDF図面を表示することはできるが、IJCADはさらに進んで直線や曲線、ポリラインなどの編集可能な線として取り込めるのだ。
また、2つの図面ファイルを比較して、違っている部分を色分けして表示する機能(図面比較)もある。例えば、現場から本社に図面の変更を依頼したとき、現場で戻ってきた図面が意図通りに修正されているかどうかをチェックするのに便利だ。
「IJCADにこんな機能があるとは知りませんでした。早速、試してみたいと思います」と中村氏は語る。
株式会社フジタ(旧大和小田急建設)では、IJCADの導入によって設計や施工にかかわる技術者だけでなく、「ちょっと図面を直したい」という営業部門などの社員も、DWG形式の図面を読み書きできるようになった。
「社内の図面をDWG形式で統一できることは、CAD活用のスキルを継承したり、過去の図面資産を全社で共有、活用したりと、大きなメリットを生みます。これまではコストがネックとなっていましたが、IJCADのおかげで実現できました。しかも、コストは従来の3分の1以下になったのです」と経理部情報システムグループOA管理チームの大桃伸一氏は言う。
その秘密は、ネットワークライセンスだ。全社でみると、同時にIJCADを立ち上げている人は少なく、IJCADを使う人の3分の1もあれば十分だ。そのため、従来の業界標準CADを使っていたときに比べて使用人数が2倍以上になったにもかかわらず、ライセンス数は逆に減った。
「5年先までのCADの維持管理コストをシミュレーションしてみましたが、IJCADの初期導入費を加えても、従来使っていた業界標準CADに比べてコストは3分の1以下になることがわかりました。しかも、毎年の更新費用を固定化できたので、数年おきの突発的な支出がなく、予算が読めるのもユーザーにとってありがたいことです」(大桃氏)
IJCADを導入した企業には、ネットワークライセンスを管理するツールが無料で提供される。そしてネット接続が難しい地域や海外などで使う場合には、ネットワークライセンスから切り離してスタンドアローンとして使うこともできる。
株式会社フジタ(旧大和小田急建設)では近い将来、現場にタブレット端末「iPad」を導入する予定だ。システムメトリックスでは、iPadでDWG図面の参照や修正が行える「IJCAD Mobile」も提供している。
「現場によっては現場事務所と作業場が離れているところもあり、紙図面を使っていると図面を見るために現場事務所と作業場を往復しなければいけないこともあります。そこでIJCAD Mobileを導入して、どこでもサーバーから図面をダウンロードして見られる環境にすれば移動のムダがなくなります。こうした使い方ができるのも、図面をDWG形式に統一したおかげです」と川田氏は言う。
IJCADの導入は、これからの2次元CADのあり方について考え直す機会となった。「現在は企画段階でArchiCADを活用しています。全ての業務を3次元で行うのは現時点では難しいため、2次元CADに作業を切り替える必要性が出てきます。今後のステップとして、3次元のBIMモデルを2次元図面に変換するためのルールを作り、ArchiCADとIJCADを効率良く使い分けていくための標準化を進めていきたい」と長岡氏は展望を語った。
仮設大手の日建リース工業(本社:東京都千代田区)は、インテリジャパンのDWG互換CADソフト「IJCAD」を約200本、国内やベトナム、ミャンマーの拠点に導入した。仮設計画・設計などの効率化を図る独自開発したアプリケーションをAutoCAD用と共通にすることにより、作業効率を保ったままCADのコストを10分の1以下に抑えることに成功した。
「IJCADによって2次元CADのコストを10分の1以下に抑えながら、従来と同じ効率で作図作業が行えるようになりました」と開口一番に語るのは、仮設大手の日建リース工業 技術安全本部
技術システム部の小川浩部長だ。
「IJCADは低価格にもかかわらず、レギュラー版のAutoCAD用に開発した専用アプリケーションをそのまま移植して仮設図面やハウス備品図面の作図を効率化できるうえ、DWGファイルの互換性も高く、AutoCADと一緒に使っても全く問題は感じません」(小川部長)。
工事現場で使う足場や型枠、現場事務所用のハウスなど、日本国内の仮設資材流通量は約4000億円とみられる。うち、日建リース工業は3分の1に当たる1260億円の仮設資材を保有し、国内に120カ所ある営業拠点から日本全国の現場に仮設資材を供給している。いわば“仮設の銀行”とも言える存在だ。
社内の仮設計画部門では、独自開発された「仮設計画・設計アプリケーション」で、客先から提供された建物や土木構造物のCAD図面データに基づき、仮設の平面図や立面図、断面図、詳細図を作成する。
関東圏だけでも、図面枚数は年間約1万枚にも達する。日建リース工業の国内の設計部門では、AutoCADとIJCADが併用されて利用されている。国内のIJCADはグループ企業も含め100本程度である。
日建リース工業のCAD活用の歴史は長く、小川部長が入社した1989年当時、すでに大型ホストコンピューター上で動く専用のCADを独自開発中だった。以来、1台約1000万円もするUXIXワークステーションや、1ライセンス100万円以上する汎用CADソフト上でのシステム開発を経て、国産ベンダーのパソコン用CADソフトへと社内のCADシステムを整備してきた。
ところが10年ほど前から、インターネットの普及により図面を紙に印刷したものではなく、CADファイルとして顧客企業とやりとりするようになってから、ある課題が浮上した。それはCAD図面ファイルの互換性の問題だ。
「当時、当社で使っていたパソコン用CADソフトには、一応、DWGファイルを読み書きできる機能がついていましたが、AutoCADとの互換性は低く、顧客との間でCADファイルを修正しながら何度もやりとりしていると、図面が化けてしまうことがよくありました」と小川部長は振り返る。
そこで同社は2004年に、CADのプラットフォームを国産のCADからAutoCADへ移行することになった。ところが、AutoCADのコストが問題となり、その計画が暗礁に乗り上げそうになっていた時に、互換CADの存在を知り、IJCADの前身である「IntelliCAD」を採用することでその問題をクリアした。
「その結果、DWGファイルの互換性についての問題はほとんどなくなりました。しかし、当時のIJCADでは、大きなCADファイルを開いたときの安定性や性能が課題となりました。そこで、開発を委託していたシステムメトリックス社よりAutoCADとIJCADのハイブリッドアプリケーションにするというリスク回避の提案があり、一気に専用アプリケーションの移植にGOサインが出ました」(小川部長)
全ての利用者にAutoCADを配布するにはコストがかかるので、より大きなデータを担当するときにはAutoCADを、小さい案件の時にはIJCADというように使い分けることでコストの問題も解決。その後IJCAD6から現在はIJCAD2014へとプラットフォームのバージョンを上げている。その結果、当初問題となっていた品質や性能の課題もほとんど解消された。
「当時は、IJCADを使っていて万一問題が生じても、いつでもAutoCADに乗り換えられるという安心感も、コストと同様に互換CADを採用できた大きなポイントでした。しかし、今ではAutoCADと比べて品質や性能で遜色(そんしょく)を感じることはほとんどありません。プログラムの起動などは、IJCADの方が早いので、AutoCADよりも軽快な感じがするほどです」と小川部長は語る。
また、以前はフリーソフトのJw_cadを使っていたハウス備品事業部も、OSをWindows XPからWindows 7へと切り替えたのを機に、IJCADを導入した。工事現場から提供される現場事務所の平面図に仮設ハウスを配置したり、建物内に備品をレイアウトしたりする作図作業をスピーディーに行うための機能を開発し、作図業務を効率化している。
さらにIJCADは日建リース工業の海外設計拠点にも、数多く導入されることとなった。ベトナム・ハノイの設計拠点では2007年の設立当時から現在まで90本、そして2015年に本格稼働を始めたミャンマーの設計拠点でも20本が使われているのだ。海外でもAutoCADは高い。「海外進出の目的の一つがコストダウンにあるのに、それに高額なAutoCADを導入していては海外進出の効果が薄れてしまうので、最初からIJCADのみでスタートしましたが、問題なく軌道に乗りました」(小川部長)
ハノイの事務所は設立当時、25人ほどのオペレーターがいるだけで、日本の作図業務をサポートすることが役割だった。その後、日本の建設会社が海外事業を強化するのに伴い、2010年代からは現地プロジェクト向けに仮設資材をレンタルする事業も始まったため、現地向けの作図業務も大幅に増えた。
「海外の設計拠点は完全にIJCADだけで作図業務を行っています。現地ではAutoCADの講習を行う大学やCADスクールが多くありますが、IJCADはAutoCADとの互換性が高いので、その卒業生はIJCADを難なく使いこなします」(小川部長)。
海外拠点の作図業務は、一人のリーダーを中心に8人程度のチーム単位で行っている。リーダー格のスタッフは現地採用しているが、日本で実習を行い仮設材の知識や日本の仮設用語などを教育し、現地に戻して実務を行う仕組みを採っている。
日建リース工業の業務には、工事現場で仮設資材が設計図通りに組み立てや設置が行われているかをチェックしたり、場合によっては現場全体の安全管理を担ったりすることも含まれる。
「作成した図面を現場の最前線に持って行って安全点検を行ったり、打ち合わせをしたりすることもよくあります。これまでは紙図面だけで業務を行っていましたが、今後はIJCADのモバイル版である『IJCAD Mobile』を使って業務効率を高められないかと1年ほど前から検討しています」と小川部長は語る。
IJCAD MobileはDWGやDXFファイルの表示や編集、保存ができる無料の「FREE版」と、さらにAutoLISPで作成したマクロが動く「PRO版」がある。現在はiOS版が用意されているが、Android版も開発中だ。
「モバイル版は、携帯や持ち運びに便利なiPhoneを使って運用することを計画しています。紙の図面を持ち歩いていないときでも、iPhoneとIJCAD Mobileによって現場で図面確認ができると業務効率も上がるので、早期に実施したいと思います」と小川部長はIJCADの運用拡大についての展望を語った。
汎用
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永久ライセンス 75,625円~ 期間ライセンス Comming soon |
機械設計用
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220,000円~ |
機械設計用
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343,750円~ |
電気設計用
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LT 220,000円~ PRO 687,500円~ |
建築・土木用
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171,875円~ |
建築用
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171,875円~ |
建築・機械設備用
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343,750円~ |
モバイル用
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0円 |
機能 | LT(エルティ) | STD(スタンダード) | PRO(プロ) |
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CADの基本作図・編集・印刷 | |||
ライセンスタイプ (スタンドアロン / USB / ネットワーク) |
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拡張ツール | |||
Plusツール | |||
開発言語の利用 (LISP / ARX / .NET / VBA) |
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3D機能とダイナミックブロック作成 (ソリッド作成 / ACIS読み・書き) |
オンライン商談のご案内
IJCADをご検討中の皆様に、オンラインツールを使って製品のご案内をいたします。
全国どこからでもご参加いただけますので、ぜひこの機会にご利用ください。
永久ライセンスと期間ライセンスの2タイプを販売しております。永久ライセンスは現在まで基本的に永続的なソフトの使用権の購入となっています。
IJCAD オンラインショップ:決済後の翌営業日に発送・発行されます。(銀行振込の場合は、ご入金確認後となります。)
その他の販売店:各販売店にてご確認ください。
※年末年始やゴールデンウィーク、夏季休業などの長期休暇が伴う時期は休暇明けの出荷になる可能性がありますので、ご注意下さい。
※休暇に伴う発送日の変更はお知らせページにてご案内しております。
IJCAD のインストールプログラムは、通常ダウンロードでのご提供となり、物品の発送はなく Eメールでのライセンス通知となります。 通常、クレジット決済、または銀行振込後の翌営業日に発行(USB版のUSBキーは翌営業日に発送)されます。
購入後、数日経ってもEメールが届かいない場合、弊社からのメールが迷惑メールとして扱われていないかご確認下さい。迷惑メール扱いになっておらず、届いていない状況の場合はお問合せ下さい。
なお、ダウンロードが困難な環境で使用される方向けに、DVDによるインストールメディアを別売しておりますので、必要な方はあわせてご購入ください。
他の代理店や量販店で購入の場合は、購入した各販売店にご確認下さい。
お見積は IJCAD ウェブサイトの オンラインカート から作成することができます。購入の構成が複雑になる場合や、多数のライセンス導入をご検討の場合などは、お問い合わせフォームからご依頼いただくこともできます。
インストール後30日間は、製品版と全く同じで、使えるコマンドや機能に差はありません。
30日後はデータの書き出し(保存やコピー等)のコマンドが利用できなくなりますが、
コマンドの体験及びビューワーとして継続してご利用いただけます。
なお、体験版で作成されたデータはIJCADをご購入いただいた後もそのままお使いいただけ、他のCADでもご利用可能です。
※IJCAD サブスクリプション(期間ライセンス)の場合、体験版期限は7日間となります。
IJCAD は国外持ち出し対して制限を設けておりません。
IJCAD と AutoCAD は DWG
データを扱い、非常によく似た機能を持っていますが全く関係のない別々の製品です。IJCAD は AutoCAD との DWG・DXF データ互換や機能互換を取りながら日本の市場にあった機能追加などで利便性を高めた製品として開発されています。
インテリジャパン社は、 IntelliCAD を国内の需要に合わせた形でローカライズしたものを、 IJ_IntelliCAD として、更に国内需要に合わせた機能を拡充したものを IJCAD ブランドとして販売しておりました。(IJCAD 2013 まで。)
AutoCAD の機能や性能の進化にともなって、互換 CAD である IJCAD にも高い性能・機能が要求されるようになり、それに対して迅速に応えるため2014年に発売された IJCAD 2014 より IntelliCAD ベースではない CAD ソフトウェアとして DWG 互換はもとより、高度な AutoCAD の機能互換性、ならびに国内需要に合わせた機能性をリーズナブルに提供する事を目指して開発を進めております。
古い IJ_IntelliCAD や IJCAD 8 以前のバージョンを検討して、要求に満たなかったために諦めた方も、生まれ変わった IJCAD を是非一度お試し下さい。